喉もと過ぎれば脱水症状 その1

 

突然だが、皆さんは幽霊を信じるだろうか。

 

夏になると涼を感じる為の

楽しみの一つとして心霊話はよく用いられる。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして私は俗に言う”見える人”だ。

 

正確には聞くことの方が多いのだが。

 

 

 

そしてこの話は私が体験した幽霊体験の中でも

 

特に印象に残っている話である。

 

 

 

 

この話は誰かに話す度に

 

「再現VTRとかでやってたら絶対トラウマになる」

 

と言ってもらえる体験話なので少し書いてみようと思う。

 

 

これは非現実的で

科学的に解明または証明もされていなくて

 

そして多分、誰でも体験できる事ではない。

 

 

 

 

 

 

私は当時、大学2年生だった。

 

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私は1年生の時に学部全体の900人弱の生徒の中で                                     

成績が上から3番目ということもあり、

 

心に少し余裕が出来ていた頃だった。

 

 

 

その日は春先らしい肌寒さを感じる日であった。

 

そしていつもに増して特に多い課題を出されていた。

 デッサンと写真集と批評文という、

 私の力量ではどう考えても期限までに終わらせることは不可能な課題の数々だった。

 

 

いつもなら大学が終わったら

 

 

 

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と、ぶらぶらするのだが

 

地獄課題が出ていた事もあって、

私は速攻で家に帰って課題に取り組むことにした。

 

 

 

 

家に着いたのは18時半頃だろうか。

 

夕飯も忘れて自分の部屋に閉じこもって課題に勤しんでいると

 

何か一気にどしっと疲れを感じた。

 

 

時計を見ると22時を回っていて、

私の肩や腰、特に手なんかは悲鳴をあげていた。

 

 

 

 

机の横には出窓があり、

家の周りとかなり遠くまでの範囲を見渡すことができる。

 

ふと立ち上がってわたしは伸びをした。

 

 

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外では寒空の下を更に冷えさせる雨が降っていた。

 

 

部屋の中にいても寒いなーとか思って、

何の気なしにそのままぼーっと窓の外を見ていた。

 

 

まず私の窓から見えるのは大きな大通りで、そこは車も人も行き交う場所である。

 

 

しかし22時過ぎではどのお店も閉まり、

 一定の距離を保って静かに街灯が上から光を放っているだけであった。

 

 

 

 

その大通りの道でふと目に入った。

 

 

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女性である。

20代後半くらいで髪が長くて綺麗な女性。

 

 

 

 

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じっと立っているだけだが

どこかおかしかった。

 

 

小雨から本降りに雨模様が変わってきた今、

 

彼女は傘をさしていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして彼女は少しも濡れていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は

 

「あ、見ちゃいけなかった。」

 

と思った。

 

 

 

 

でも、大抵そういう時って既に遅しなのである。